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以前の更新(vol.1669、vol.1671)と関連して、『ブルトマン著作集7』聖書学論文集1(新教出版社)に収録されている「ヨハネ第一の手紙の分析」を読みました。
著者であるブルトマンは冒頭、次のように述べている。
「以下の論述は、私の結論に、紙幅相当の簡単な基礎づけをつけて提示するものである。(中略)福音書と手紙との詳細な注解書を準備中であること、こうした研究の一部を簡潔な姿で呈示するのは価値あることに私には思える(本書193ページ抜粋)」。
準備中の詳細な注解書について、僕は既に目を通した(杉原助訳『ヨハネの福音書』日本キリスト教団出版局、川端純四郎訳『ヨハネの手紙』日本キリスト教団出版局)ことから、今回の更新では、著者の言葉を借りれば、「簡潔」に述べるにとどめたい。すなわち、僕自身が気になって、後々、内容を確かめるための備忘録として。
序文(一・一~四)の後に記されていることについては、本書194ページ7行目以降。
反対命題の特徴でもある、分詞文について(光と闇、留まると歩く、愛すると憎む)は、本書202ページ4行目以降。
愛については、本書209ページ2行目。
確信については、本書210ページ5行目以降。
告白については、本書212ページ10行目以降。
「ヨハネ第一の手紙の分析」を読むと、ブルトマンは『ヨハネの第一の手紙』の著者、いわゆる書き手の文体の分析を何度も行い、その特徴を記している。そこが僕はブルトマンらしくて、実に面白く感じた。以下にいくつかの例を挙げると、
「以上で挙げた言い廻しは、上述の反対命題の形で記されている文の外部で見られるものであって、著者の文体の特徴であると共に、説明し解釈する説教調の叙述の文体の特徴である(本書199ページ引用)」。
「著者は、ある概念を説明するために、それとは逆のことをあらかじめ述べてこれを否定しておく、というやり方を好むという点がその一つである(本書200ページ引用)」。
「肯定的規定に先立ってそれと逆のものの否定をおくという著者の傾向に一致している(本書202ページ引用)」。
「彼はまたもや説教調の呼びかけと手紙を書くとの言及によって導入している(本書202ページ引用)」。
誰しも書き癖というのがあり、どんな作家にも、僕にもあって、文章を読んでいると、その人が書いたことが分かるようになる。ブルトマンは『新約聖書』の書き手に関して、釈義家らしく、その書き癖を熟知している。
ということで、結論を書くと、本論は『ヨハネの第一の手紙』の文体の分析である。
最後に、例によって、ブルトマンは1884年生まれだから、43歳の時に発表した論文である。
以下は余談。
日曜日の朝ということで、いつもより少し遅い時間(午前5時)に起きて、これを書いている。
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