2012年2月4日土曜日

vol.509 打ち込めることは素晴らしい

ツーリング・レポート「東海・旅の足跡」をお読みいただき、ありがとうございます。

 下の写真は今日僕が彫った円空仏の迦楼羅と千面菩薩です(後日、すべて人に差し上げる予定です)。
  円空彫りに限らず、何事も「打ち込めることは素晴らしい」との教えを記した恩師からの手紙が届いて、上機嫌の僕だったはずが、今日は一日、道路工事の騒音に付き合わされた。中でも、何やら硬い物を切断しているような「キーン」という甲高い音が、到底耳障りで仕方ない。僕は迷惑な騒音を聞くともなしに聞きながら、寺田寅彦の書いた文章を思い出していた。

 「アルバート・ケンプという男が、百十時間ぶっ通しにピアノを弾き続けて、それで世界のレコードを取ったという記事が新聞に出ていた。驚くべき非音楽的な耳もあるものだと思う。」(寺田寅彦『柿の種』より)

 道路工事に従事する人たちも、やはりそうに違いなく、公共工事が絶えないところを見ると、税金はいくらあっても足らないようだ。

 以下は余談で、恩師K先生の薦めで、上田秋成の「雨月物語」を読み始めました。感想としては、なかなか手強いな、と。

 追記 思い出したので、やはり書いておくと、寺田寅彦の師でもあり、明治を代表するインテリゲンチャの夏目漱石は、彼が書いたものを読んでも分かるとおり、身の回りの音(生活音等の騒音)には大変敏感な人であった。翻って考えれば、沖縄の米軍基地における騒音の労苦は想像に難くないのである。

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