2017年9月19日火曜日

vol.1514 木彫り作品のギンナンと中原中也「月夜の浜辺」

 ブログ「東海・旅の足跡」をお読みいただき、ありがとうございます。

 昨日は以前の更新(vol.1492、vol.1502)で書いたセミやトンボを捕まえた場所へ行きました。
 あれからさらに季節が進んで、イチョウにはギンナンが実り、それがたくさん落ちていました。
 


 ギンナンを一つ拾い、お手本にして、今日の午前中、下の写真にあるように彫ってみました。
 

 ギンナンなのか、何なのか。はたまたアーモンドに見えなくもない。作品と呼ぶには程遠い出来になりました。

 以下は余談。
 ギンナンを拾った際、ふと、なぜだか中原中也の「月夜の浜辺」を思い出しました。

 月夜の晩に、ボタンが一つ
 波打際に、落ちていた。
 
 それを拾って、役立てようと
 僕は思ったわけでもないが
 なぜだかそれを捨てるに忍びず
 僕はそれを、袂に入れた。
 
 月夜の晩に、ボタンが一つ
 波打際に、落ちていた。
 
 それを拾って、役立てようと
 僕は思ったわけでもないが
    月に向ってそれは抛れず
    浪に向ってそれは抛れず
 僕はそれを、袂に入れた。

 月夜の晩に、拾ったボタンは
 指先に沁み、心に沁みた。

 月夜の晩に、拾ったボタンは
 どうしてそれが、捨てられようか?

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